秩父札所13番
慈眼寺
お
旗下山慈眼寺(きかさんじげんじ)は、780年前に小さな祠から始まったと伝えられています。仏教曹洞宗の寺院で、本尊は聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)です。
寺
この場所は太古の昔、日本武尊が東国遠征の折に立ち寄り、御旗を建てさせたことにより旗の下(ハタノシタ)と呼ばれました。それが当山の俗称であるハケノシタに変わってきました。
紹
介

目の仏様、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)を祀り、日本全国から目に悩みを持つ方や、めを伸ばしたい方がお参りに訪れます。
毎年1月8日は「初薬師」、7月8日は「あめ薬師」と呼ばれる御祈願例大祭があり、特にあめ薬師では山門前に露店が立ち並び、夕方からは2万人を超す人で賑わいます。

慈 眼 寺 縁 略 起
太古の昔、日本武尊が東国遠征の折、当地に立ち寄りました。このとき当所に御旗を建てさせたことにより当山は旗の下(ハタノシタ)といい、それが少しずつハケノシタと呼ばれるようになりました。
当寺草創以前よりこの地は佛様の意にかなう霊地でありました。月白く風清き夕は必ず紫雲下がり、雅の音声満ち、天より曼荼羅花をふらし、瑠璃摩尼等の瓔珞が輝き、笛や琵琶、太鼓、法螺の声澄み渡っていました。諸々の菩薩がそれを歌詠讃歎したので、人々は檀の下ともいいました。
あるとき音楽響き渡り、妙なる音が清らかに聞こえてきました。夜が開けてみると、観音様がその尊容巍然と岩の上に在していました。里人は皆たいそう感激し、永くこの地に止まって衆生済度たまわらんと強く願いました。信心の郷民は土木を運び、富ある居士は財宝を投げうって力を合わせたので、観音堂はたちまちに完成しました。
開廟の日にあたって、一人の僧がおいでになりました。ご本尊様を深く礼拝して申しました。
「この尊は正しく行基の彫刻なり。この地有縁の像なれば侘邦より来たりたまえり。謹んで供養したまえ。」
といい終わって、たちまちその姿を消してしまいました。そのお方は、行基菩薩その人でした。
時を経て、文歴元年(1234年)、秩父札所が創設されました。
文明18年(1486年)に、秩父市宮地の曹洞宗広見寺2世、東雄朔法大和尚を御開山として迎え、曹洞宗慈眼寺が開かれました。
初薬師、あめ薬師という二つの大祭と、毎月八日の月例祭があります。
そのほかにも、ご希望によって御祈祷を受け付けています。
境内の絵馬掛けには、眼病治癒や眼病予防を願う絵馬が、たくさん掛けられています。
秩父鉄道の御花畑駅に近い、秩父札所十三番慈眼寺は街中にある、とても親しみやすい仏教のお寺です。
入り口には薬医門と呼ばれる切妻造りの黒門があり、それをくぐると左手に鐘楼、右手に経蔵が建っています。そして正面に観音堂です。
1月1日の元朝祈願から、12月31日の除夜の鐘まで様々な行事が行われています。