【南泉和尚の こころの歩み便り】

2024/12/05

『師走の夕暮れに想う ~本来の自分を取り戻す時~』

師走の夕暮れ時、常楽寺に差し込む夕陽が、境内の銀杏の落ち葉を黄金色に染めていきます。日が暮れるのも早いこの季節、本堂の前に佇んでいると、一日の慌ただしさが静かに溶けていくのを感じます。

毎日、御朱印を求めて多くの方が当寺を訪れます。最近気づくのは、単なる参拝だけでなく、どこか心の安らぎを求めていらっしゃる方が増えているということです。御朱印帳を広げながら、「お寺に来ると心が落ち着くんです」と、静かな笑顔で語られる方も少なくありません。

実は、これは偶然ではないのです。お寺の持つ不思議な力が、皆さまの心に働きかけているのかもしれません。特にこの師走の季節は、自然と心が内側に向かう時。一年の締めくくりとして、本来の自分を取り戻すのに最適な時期なのです。

先日、御朱印をお求めになった方から印象的な言葉をいただきました。「最近、何かが足りないような気がして。でも、お寺に来ると、それが何なのか少しわかるような気がします」と。

その方にお話ししたのは、こんな言葉です。「人は誰でも、心の中に清らかな泉を持っています。ただ、日々の生活の中で、その泉に蓋をしてしまいがちなのです。お寺は、その蓋を少しずつ開けていく場所なのかもしれません」

常楽寺では、このような方々のために「オンライン寺子屋」を始めます。これは、日々の暮らしの中で心を整える知恵を、ご自宅で学んでいただける新しい試みです。毎週配信される法話や坐禅や瞑想のガイダンス、そして参加者同士での学び合いを通じて、心の平安を見出していく場となっています。

「仏教の教えは難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、特別なことは何もありません。たとえば、今この瞬間、深い息をしてください。その一呼吸で、すでに心は少し軽くなっているのではないでしょうか。

師走の忙しさの中でも、ほんの少しだけ立ち止まる時間を持ってみませんか。夕暮れ時にほんの数分座ってみる。深い呼吸を三回だけしてみる。そんな小さな実践から、心は少しずつ変わっていきます。

冬の夕暮れは、心を澄ます最高の時間です。木々が葉を落とし、自然が静かに息をひそめる。その素直な姿に倣うように、私たちの心も少しずつ素直になっていくのです。

新しい年を迎える前に、心の整理をする時間を持ちませんか。それは、新たな一歩を踏み出すための、大切な準備となるはずです。常楽寺は、そしてオンライン寺子屋は、いつでも皆さまをお待ちしております。

合掌

【後記】

オンライン寺子屋についての詳しい情報は、随時お知らせします。令和7年に本格スタートします。現在準備中ですが、一部公開しています。無料で登録できます。椅子坐禅のやり方や御朱印の正しいもらい方等の動画を視聴できます。ぜひお気軽にご登録ください。心の道を共に歩めることを、楽しみにしております。

https://webinar.ameyakushi.com/r/gsRMluc06Aye/register

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